4月4日 オープンマイク「SPIRIT」

「心を声に。声を言葉に。言葉を、明日に」


毎月第一月曜に渋谷RUBY ROOMで恒例、URAOCBと大島健夫の共同開催による朗読オープンマイクイベント「SPIRIT」。4月は4日の開催です!


16回目の開催となる今回のスペシャルゲストには、シンガー・吉田和史さんををお迎えします。音と言葉と歌が静かに降り積もる30分のパフォーマンス、どうぞお楽しみに!


オープンマイクは当日先着12名様までです。1名あたりの制限時間は5分となります。どうぞふるってご参加ください。もちろん、オープンマイクにご参加なさらない、純粋なお客様のとしてのご来場も大歓迎いたします。


☆☆☆


POETRY READING OPEN MIC
SPIRIT


2016年4月4日(月)
会場:渋谷 RUBY ROOM
http://rubyroomtokyo.com/


開場 20:00
開演 20:30
入場料 2000円(2ドリンク付)


▽主宰・出演
URAOCB / 大島健夫


スペシャルゲスト
吉田和史
http://artist.aremond.net/kazknee/


※オープンマイクは当日先着12名まで。1名あたり制限時間5分

3月27日 URAOCB PV 公開記念イベント 「LIONESS COFFEE CANDY」


URAOCB PV 公開記念イベント
「LIONESS COFFEE CANDY」


3 月27日(日)高円寺パンディット
http://pundit.jp/
OPEN13:30/ START14:00 (CLOSE 16:00)
前売、当日共に¥1,000(飲食代別)


スポークンワーダー「URAOCB」が、2015年に発表したアルバム「STRAIGHT LANGUAGE」に収録された「LIONESS COFFEE CANDY」の世界を、10分に渡るショートームービーとして映像化!
その完成を記念して上映会を行います。
当日は、映像監督を務めた「もがくひと」こと農崎竜太朗、映像に出演したANCELL、そにっくなーす、そしてURAOCBによるトークセッションとライヴパフォーマンスをお届けします。
「これは 子供の頃を小さな街で過ごした少年が遭遇した出来事
そして時を経て 小さな街で再び起こった出来事
それは甘く ほろ苦い」


【出演】
URAOCB
もがくひと(農崎竜太朗)
ANCELL
そにっくなーす


トークセッション司会
大島健夫


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◆「LIONESS COFFEE CANDY」について

 「ライオネスコーヒーキャンディー」は、私の幼少時代に起こったドキュメントを下書きにした、URAOCBオリジナルのストーリーテリングです。
 2010年にステージで発表以来、様々な方から好評をいただきました。昨年リリースした「STRAIGHT LANGUAGE」に収録された作品の中でも評判が高く、今回映像を作成することとなりました。
 撮影は昨年の夏から秋にかけて、計4日間を費やしました。監督を務めたのは「もがくひと」こと農崎竜太朗氏。彼はこの物語を精密に描写し、長い時間をかけて映像化を試みました。結果、PVの枠を超えたショートフィルムが出来上がりました。


 最近富に思うことですが、優れたドキュメントは、その所有者を飛び越えて、様々な人々のドキュメントに変換されるということ。私的な経験を綴ったこの物語を作った時に、正直これだけ多くの人から反響を受けるとは全く思っていませんでした。それは、様々な人達の記憶の中にある断片を呼び起こすということであり、その時に私と皆さんは同じ風景を共有することができます。
「ライオネスコーヒーキャンディ」は私の物語ですが、あなたの物語でもあります。子供の時に身に覚えのあるような、少しだけ甘く、そしてほろ苦い経験。音と言葉によって、映像によって沢山の方に、この物語が共有されますように。

ナイト オブ デッド ポエット

村田活彦さんから「話したいことがある」と言われて新宿の居酒屋で飲んだのは、今から2ヶ月くらい前のことだ。


2010年に猫道節で共演してから5年余り、特に最近は「どんと、こい!」のロングインタビューを始めとして、お会いする機会も頻繁にはなっていたが、膝を突き合わせてじっくりと話す機会は、これが初めてだった。
そこで色々な話をした。彼が代表を務めるポエトリースラム・ジャパンのこと。あるいは、ポエトリー・リーディングについての考え方。率直に、考えていることや思っていることを申し上げた。お互いに忌憚の無い意見を戦わせた。キャリアの面で先輩にあたる村田さんは、自分の話を真摯に聞いて下さった。
時は過ぎ、話が一段落した所で私は2つのことを村田さんに伝えた。ひとつは、私がポエトリースラム・ジャパンの名古屋予選にエントリーすること。そしてもうひとつは、その翌日に開催される「SPIRIT」に、スペシャルゲストとして出演いただきたいということ。


2016年2月1日、RUBY ROOMのステージに立った村田活彦は、「この忙しいタイミングで、ここの主催者は「絶対ここで出演した方が良いですよ!」ってね。悪い人たちですよ!」という内容のMCをしていた。正確に言えば、オファーしたのは私で大島健夫には全く伝えてなかったので、悪人は私ということになる。そして、私が悪人であるという指摘は正しい。村田活彦がこのオファーを断ることはないはずだ、という確信を最初から持っていたのだから。




バックトラックは一切なし。言葉によるパフォーマンスのみの30分。渋谷サイファーの教室に通っている成果を形にしたラップ、朗読の現場をホラーテイストにアレンジした落語調のストーリーテリング、そしてポエトリー・リーディング。どのパフォーマンスにも、裏打ちされたカルチャーへの愛情と「フレッシュ」さが溢れていた。それが村田活彦の真骨頂と言っても過言ではないと思う。この朗読の先輩は、いつ会っても新鮮だ。いつも先を見ている。カルチャーへの、音と言葉への探求を止めることがない。それでいて、ひとつひとつのパフォーマンスが、明確な歴史によって裏付けされていることが伝わってくる。彼が世界レベルのポエトリースラムで日本大会を担う役割に就いたのは偶然の連鎖による結果かもしれない。しかし、歴史は時間を経て顧みた時に初めて必然を帯びてくる物だ。決して人口が多くない詩の朗読の世界で、道を切り開く鋭いアンテナを常に張りめぐらせた存在であったことは間違いない。この日の彼のパフォーマンスには、確かに彼が切り開いてきた「歴史」が顔を覗かせていた。それは村田活彦の歴史でもあり、彼が携わってきたカルチャーや、関わってきた人たちの顔でもあったように、自分には思えた。


オープンマイクにご参加いただいたのは、登場順に


筒渕剛史さん
タオさん
渡ひろこさん
死紺亭柳竹さん
コリンZ’さん
llasushiさん
ジュテーム北村さん
かとうゆかさん
遠藤ヒツジさん
さやさん
芦田みのりさん
もがくひとさん


以上の皆さんでした。初登場の方は3組。加えて初のコンビ参加で、漫才を披露いただいた方もいらっしゃいました。
オープ二ングは大島健夫が「市営住宅のバレンタイン」を、最後は私が「future」と「goes on」を朗読させていただきました。


オープンマイク「SPIRIT」次回は3月7日(月)です。スペシャルゲストには中原中也賞受賞詩人、大崎清夏さんをお迎えします。どうぞお楽しみに!

2月1日 オープンマイク「SPIRIT」



「心を声に。声を言葉に。言葉を、明日に」


毎月第一月曜に渋谷RUBY ROOMで恒例、URAOCBと大島健夫の共同開催による朗読オープンマイクイベント「SPIRIT」。次回は2月1日です!


一周年を迎える今回のスペシャルゲストには、前日の1月31日より開幕を迎える「ポエトリースラム・ジャパン」代表、村田活彦さんををお迎えいたします。30分のパフォーマンス、どうぞお楽しみに!


オープンマイクは当日先着12名様までです。1名あたりの制限時間は5分となります。どうぞふるってご参加ください。もちろん、オープンマイクにご参加なさらない、純粋なお客様のとしてのご来場も大歓迎いたします。


☆☆☆


POETRY READING OPEN MIC


SPIRIT


2016年2月1日(月)
会場:渋谷 RUBY ROOM
http://rubyroomtokyo.com/


開場 20:00
開演 20:30
入場料 2000円(2ドリンク付)


▽主宰・出演
大島健夫 / URAOCB


スペシャルゲスト
村田活彦



http://blog.goo.ne.jp/inthenameofmyself


※オープンマイクは当日先着12名まで。1名あたり制限時間5分

密猟の夜

12月7日、オープンマイク「SPIRIT」は無事に1周年を迎えることができました。
これも一重にオープンマイクにご参加いただいた皆様、ご観覧いただいた皆様、初めての試みに快く協力していただいたRUBY ROOMの皆様のお陰だと思っております。厚く御礼申し上げます。


祈念すべき1周年を飾るスペシャルゲストの飯田華子さん、オープンマイクの空間にアグレッシブな作品を携え、素晴らしいパフォーマンスを展開していただきました。




YSWSの主催等、ポエトリーリーディングのシーンとは密接な関わりを持った方ですが、朗読の現場では初めてご覧になった方も少なくなかったかと思います。様々な意匠を凝らして猥雑さや流麗さを兼ね備えた世界観を巧妙なストーリーテリングで繰り広げる飯田さんのパフォーマンスに、空間が刺激を受けて暖まっていく様子がとても印象的でした。またRUBY ROOMとの相性もバッチリで、お客さんだけはなくお店のスタッフをも惹きつける魅力に溢れた30分間、堪能させていただきました!


オープンマイクにご参加いただいたのは、登場順に


吉田和史さん
あしゅりんさん
心太(仮)さん
ユウサクさん
ジュテーム北村さん
津田一矢さん
死紺亭柳竹さん
筒渕剛史さん
llasushiさん
かとうゆかさん
市毛友里さん
村田活彦さん
キャリーさん



以上の皆さんでした。初登場の方も交えて、朗読、即興、歌唱等、多種多彩なパフォーマンスが繰り広げられました。
オープニングアクト大島健夫が、最後は私が「無重力」を読ませていただきました。


次回は年をまたいで新年1月4日の開催です。スペシャルゲストには、川島むーさんをお迎えします。長く続けていくことができるように精進してまいります。今後とも「SPIRIT」を宜しくお願いいたします!

12月7日 オープンマイク 「SPIRIT」


「心を声に。声を言葉に。言葉を、明日に」


毎月第一月曜に渋谷RUBY ROOMで恒例、URAOCBと大島健夫の共同開催による朗読オープンマイクイベント「SPIRIT」。次回は12月7日です!


一周年を迎える今回のスペシャルゲストには、紙芝居パフォーマンス、漫画、映像作品、演劇脚本と多彩な活動を続ける飯田華子さんををお迎えいたします。30分のパフォーマンス、どうぞお楽しみに!


オープンマイクは当日先着12名様までです。1名あたりの制限時間は5分となります。どうぞふるってご参加ください。もちろん、オープンマイクにご参加なさらない、純粋なお客様のとしてのご来場も大歓迎いたします。


☆☆☆


POETRY READING OPEN MIC
SPIRIT


2015年12月7日(月)
会場:渋谷 RUBY ROOM
http://rubyroomtokyo.com/


開場 20:00
開演 20:30
入場料 2000円(2ドリンク付)


▽主宰・出演
URAOCB / 大島健夫

スペシャルゲスト
飯田華子



〜プロフィール〜
自作の紙芝居でライブ活動中。
ライブハウス、カフェ、立ち飲み屋、児童館のお楽しみ会などに出演しています。
漫画、文章、映像制作などもやってます☆
ホームページ
http://iidahanako.jimdo.com/

    • -

※オープンマイクは当日先着12名まで。1名あたり制限時間5分

ゆれつづける

片山さゆ里、というシンガソングライターを初めて観たのは今年の5月のことだった。


下北沢のミュージックバーで催されたその日のイベントは、ミュージシャンがポエトリーリーディングを行うという趣旨で、ステージに現れた彼女は、自分の日記を10年遡って読んでいった。歌を間に挟みながら、涙を浮かべながら矢継ぎ早に展開されていく「自分史」は、赤裸々で、かつ圧倒的な世界をライブ会場に作り出した。


この人は本気だ、と思った。勿論、ステージに上がる人は皆本気であることは間違いない。彼女の本気とは、言葉のひとつひとつのクオリティだった。まだステージに上がることを意識していない、幼少時代の日記でさえ、彼女の言葉は粒立っていて、まるで世に出ることを予期していたようなテキストだった。そこには、言葉を粒立たせなければならないリアリティがあった。ステージに上がる前から、言葉を尖らせてきた人、そしてステージで歌うことによって、自分を支えている人。そういった必然性を彼女の言葉から強く感じた。それは、世の中で言われる詩人の定義よりも、さらにさらに詩的であると、私はそう思えた。「SPIRIT」というオープンマイクに彼女をお迎えするというアイデアは、今にしてみれば私の中ではこの時に決まっていたのかもしれない。



弾き語りというフォーマットで括られてはいるが、速射砲のように繰り出される片山さゆ里の歌と言葉のスピード感は、そういったジャンルの枠を軽く飛び越えていく。それはラップのようでもあるし、絶頂期のボブ・ディランを彷彿とさせる。同時にそのスピード感は今を生き急いている彼女そのものを体現している。初めてポエトリーリーディングの現場に立つシンガソングライターと、初めてそのパフォーマンスを観る詩人達。その緊張感を伴う静けさは、今までのSPIRITとはまた一味違った空間にRUBY ROOMを染め上げていた。それは、間違いなく「詩」の空間であったと思う。


オープンマイクにご参加いただいたのは、登場順に


midoさん
麻生有里さん
浦世耀一朗さん
ユウサクさん
ソニックナースさん
むれくじらさん
タオさん
死紺亭柳竹さん
rabbit fighterさん
ジュテーム北村さん
M1NAZUK1さん
もがくひとさん


以上の皆さんでした。毎回お越しいただく皆様に加えて、
初登場の方、久々にお越しいただいた方、
年齢層も幅広く、様々な方にご登場いただきました。
オープニングアクト大島健夫が朗読し
最後は私が新作を読ませていただきました。


オープンマイクSPIRIT、次回は11月2日(月)です。ゲストにはカニエ・ナハさんをお迎えします。どうぞお楽しみに!

10月5日 オープンマイク「SPIRIT」


「心を声に。声を言葉に。言葉を、明日に」


毎月第一月曜に渋谷RUBY ROOMで恒例、URAOCBと大島健夫の共同開催による朗読オープンマイクイベント「SPIRIT」。次回は10月5日です!


今回のスペシャルゲストには、シンガーソングライターの片山さゆ里さんをお迎えします。歌手の方をお迎えするのは今回が初めてになりますが、ここ最近初見したアクトの中で、私が最も「詩」を感じた方です。30分のスペシャルライヴ、どうぞお楽しみに!


オープンマイクは当日先着12名様までです。1名あたりの制限時間は5分となります。どうぞふるってご参加ください。もちろん、オープンマイクにご参加なさらない、純粋なお客様のとしてのご来場も大歓迎いた
します。


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POETRY READING OPEN MIC
SPIRIT


2015年10月5日(月)
会場:渋谷 RUBY ROOM
http://rubyroomtokyo.com/


開場 20:00
開演 20:30
入場料 1000円+1ドリンク


▽主宰・出演
URAOCB / 大島健夫


スペシャルゲスト
片山さゆ里


※オープンマイクは当日先着12名まで。1名あたり制限時間5分

9.13 URAOCB 1st ALBUM リリースパーティー「STRAIGHT LANGUAGE×3!!!」三鷹おんがくのじかん

URAOCB 1st ALBUM リリースパーティー


STRAIGHT LANGUAGE×3!!!

2015年9月13日(日)
三鷹おんがくのじかん
http://ongakunojikan.com/


15:00 開場 15:30 開演
¥1,500 with 1drink


出演


URAOCB(60分)
大島健夫(60分)
猫道(60分)


スポークンワーダー、URAOCBのファーストアルバム「STRAIGHT LANGUAGE」リリースを記念して、東京の最前線で活躍する3人のポエトリーリーディング、スポークンワーズアーティストを迎えて、60分ずつのライヴパフォーマンスをお届けします!!!たったひとりでステージに上がり、語り続けるスポークンワーズとは一体何か。その真髄を、是非ご堪能下さい!

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出演者紹介


URAOCB

1972年生まれ。クラブシーンでのDJ活動を経て、2009年よりスポークンワーズパフォーマーとしての活動を開始。2010年横浜スポークンワーズスラム(YSWS)グランドチャンピオントーナメントベスト8。都内を中心にクラブ・ライブハウス等様々な場所でライブを展開。ファーストCDアルバム「STRAIGHT LANGUAGE」発売中。


大島健夫

1974年生まれ。文筆家/朗読家として「声・言葉・お話の力」を追及する。朗読オープンマイクイベント「SPIRIT」をURAOCBと、「千葉詩亭」を山口勲と共同開催。2010年10月、小説「そろそろ君が来る時間だ 10の小さな物語+1」を詩遊会出版より刊行。2014年3月、詩集「神さまの人生」、長編物語詩「みいらの世界」をマイナビより電子書籍にて刊行。2014年7月、史上初の「24時間朗読ワンマンライヴ」を完遂。2015年3月、ベルギーのモンスで開催された国際ポエトリースラム「SLAMons & Friends」に参加。
http://www1.odn.ne.jp/goingthedistance/


猫道(猫道一家)

1980年 2月28日生まれ。東京都 調布市出身のスポークンワーズパフォーマーポエトリーリーディング・ラップ・一人芝居の要素を合わせた新しい話芸「猫道節(ねこみちぶし)」を追求している。現在、ライブハウス・クラブ・カフェ・バー・劇場を中心にカオシレーターカオスパッドを操りながらのソロライブを展開中。大阪・京都・名古屋・長野・前橋・仙台・石巻・山形など首都圏以外の地域でも毎年ライブを行っている。また、ソロライブ活動と並行してイベントオーガナイズも行っており2008年〜2015年の7年間で、計51本のイベントをプロデュース。ラッパー・詩人・弾き語りミュージシャン・バンド・俳優・美術家などを独自の切り口で起用し、挑戦的なブッキングを行っている。
http://nekomichic.jimdo.com/

ONCE AGAIN

ポエトリーリーディングのオープンマイクに、濃い色のスーツにハットをかぶったその男が現れたのは今から3年前、2012年の初夏のことだった。


MELODY KOGAと名乗るその男は、バリトンボイスを響かせた美声で「ジュリエット」という同じタイトルが名付けられた30秒くらいの様々な詩を時間が許すまで読み続けた。それはとてもシュールな光景であり、ジョークのようでもあり、その場にいた詩人たちはただただ呆気に取られていた。


この時から、MELODY KOGAという唯一無二のシンガーと詩人たちの不思議な、そして濃密な交流が始まった。今にして思えば、2012年の初夏という時期は色々なことが起こっていた。言葉を話すこと、伝えることの意味が問われるような出来事が起こっていた。
やがて彼は、朗読だけではなく弾き語りを披露するようになり、詩人達とライヴを共演するようになっていった。何故ミュージシャンの彼は人口の少ない朗読のシーンにわざわざやってきたのだろうという疑問符は、その間も私たちの頭に渦巻いていた。丁度その頃、私は円盤に出演する機会があったのだが、共演したミュージシャンとMELODY KOGAの話になり、彼が長い経歴を持つ歌手であることを知った。疑問と謎は更に深まっていった。


彼がポエトリーリーディングのシーンに姿を現さなくなったのは、大島健夫が主催していた「Poe-tri」が会場の都合で終了した時期だった。そして長い月日が流れた。稀にライヴ会場で顔を合わせることはあったが、基本的には私たちはそれぞれの場所で活動を続けた。その間に、MELODY KOGAの名前は多くの人達に知れ渡るようになった。彼を評して「詩人のようだ」という賞賛を何度も目にした。私と大島健夫の間では「SPIRIT」を始める前からMELODY KOGAの話題は定期的に上がっていた。私たちは、いつか適切なタイミングで、もう一度彼と同じステージに立つ機会を伺っていた。そして、2015年の8月にその機会は訪れた。



ワンコード、30秒ほどの楽曲。30分のステージで50曲の演奏。MELODY KOGAのステージは、「表層的には」この簡潔な3つの言葉で捉えることができる。長いキャリアを持つ彼は、全てをこのスタイルに捧げてきた。生まれては消えていく、繰り返される言葉と声とコード。そのスタイルを曲げることなく、そして、ただスタイルが奇抜なだけではなく、MELODY KOGAの歌と言葉に様々な風景や情感が込められている。時にユーモアであったり、アイロニーであったり、哲学でもある。それらが短いセンテンスの適材適所に散りばめられ、次々に配置されていく。その所作は詩そのものであり、例え現場は変わったとしても、MELODY KOGAは「詩人」であり続ける。あの頃と変わらない、さらに磨き抜かれたビルドアップされたライヴを観て、私は活動を続けてきたこと、MELODY KOGAと再会できたことの幸運を感じていた。


オープンマイクにご参加いただいたのは、登場順に


並四ラジオさん
ジュテーム北村さん
ラビットファイターさん
守山ダダマさん
チャーリーホッパーさん
笹田美紀さん
川島むーさん
ユウサクさん
かとうゆかさん
タオさん
死紺亭柳竹さん
もがくひとさん


以上の皆さんでした。今回は、東京のポエトリーシーンで活躍されている方や初めて読まれる方もいらっしゃって、普段のSPIRITとはまた一味違う趣を持ったオープンマイクになりました。
オープニングアクト大島健夫が「踊れ」を朗読し
最後は私が「金曜日の夜」(ケイコ)・「四つの心臓」(菊池奏子)のミックスバージョンと
オリジナルの「のぶこさん」を朗読しました。


今回のSPIRITは、MELODY KOGAさんをお迎えしたこともあって、演者にも客席にも同じ場所に上がっていた詩人の方がお越しになられていました。この3年間、私たちはどのように生きてきたのか。そして、これからどのように生きていくのかを互いが確認し合うような、忘れられない時間と空間になりました。そのことを胸に刻みながら、新たなるステップへと踏み出してまいりたいと思います。


オープンマイクSPIRIT、次回は9月7日(月)です。ゲストにはポエトリースラムジャパンチャンピオン、岡野康弘さんをお迎えします。どうぞお楽しみに!

8月3日(月)オープンマイク「SPIRIT」

「心を声に。声を言葉に。言葉を、明日に」


毎月第一月曜に渋谷RUBY ROOMで恒例、URAOCBと大島健夫の共同開催による朗読オープンマイクイベント「SPIRIT」。通算8回目となる8月は、第一月曜日である3日の開催となります。今回も声と言葉の時空間を皆様に楽しんでいけるよう、主宰2名、精一杯努力してまいります。


今回のスペシャルゲストには、ワンコードの進行パターンで30秒〜1分の楽曲(持ち歌500曲!)を歌い続ける弾き語り歌手、MELODY KOGAさんをお迎えします。以前は朗読のオープンマイクシーンにも登場していたMELODY KOGAさんに、久しぶりにポエトリーリーディングの現場でパフォーマンスを展開して頂きます。どうぞお楽しみに!


オープンマイクは当日先着12名様までです。1名あたりの制限時間は5分となります。どうぞふるってご参加ください。もちろん、オープンマイクにご参加なさらない、純粋なお客様のとしてのご来場も大歓迎いたします。


☆☆☆


POETRY READING OPEN MIC
SPIRIT


2015年8月3日(月)
会場:渋谷 RUBY ROOM
http://rubyroomtokyo.com/


開場 20:00
開演 20:30
入場料 1000円+1ドリンク


▽主宰・出演
URAOCB / 大島健夫


スペシャルゲスト
MELODY KOGA


※オープンマイクは当日先着12名まで。1名あたり制限時間5分

スポークンワーズマガジン「どんと、こい!」Vol.4

スポークンワーズ・マガジン「どんと、こい!」vol.4が完成しました!
7月5日より販売を開始します!!!


スポークンワーズ・マガジン「どんと、こい!」vol.4。
今号では、今年行われました国際ポエトリースラムに関する
2つのロングインタビューをお届けします。
まず一つ目は、3月にベルギーのモンスで行われました
国際ポエトリースラム「SLAMons&Friends」に日本代表として出場した
三角みづ紀さん、橘上さん、大島健夫による座談会をお届けします!
異国ベルギーの地で、唯一のアジア国代表として出場した3人は、
どのような心境でスラムに臨んだのか?そして、そのスラムでは何が起こったのか。
3人の証言を余す所なく掲載しております。


そして、スポークンワーズ・マガジン「どんと、こい!」vol.4では、
5月に行われた「ポエトリー・スラム・ジャパン」で見事優勝し、
パリでのワールドカップに出場した岡野康弘さんの、
どの媒体よりも早いロングインタビューをお届けします。
様々な反応、波紋を起こした「ポエトリースラム・ジャパン」での優勝、
その時岡野さんは一体何を思っていたのか、
そして、世界大会に出場した岡野さんが体感した「ポエトリーリーディング」とは?
国際ポエトリースラムに関する2つのインタビュー、どちらも必見の内容です。


更に今号では、日本と世界のポエトリーシーンを震撼させた、
岡野康弘さんの傑作「イカ百選」を掲載!!!
また、PSJ代表村田活彦さんによる、ポエトリー・スラム日本大会、ワールドカップを総括した手記も掲載しております。
その他、レギュラー陣による詩作・コラムも掲載された充実した内容となっております。
スポークンワーズ・マガジン「どんと、こい!」vol.4は7月5日より\1,000円発売いたします!どうぞお楽しみに!!!


なお、今号より「どんと、こい!」の発行は「日本スポークンワーズ協会」となることを、
併せて皆様にお知らせさせていただきます。
(日本スポークンワーズ協会の立ち上げについては、改めてご説明する機会を設けさせていただきますす。)
長くなりましたが、今後とも「どんと、こい!」並びに「日本スポークンワーズ協会」をお引き立てのほど、宜しくお願い申し上げます。

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スポークンワーズ・マガジン「どんと、こい!」vol.4
2015年7月5日発行 定価1,000¥


購入方法


「どんと、こい!」vol.4号並びに過去のバックナンバーは、通販でお求めいただけます。

通販をご希望の方は

1.「お名前」「ご住所」「希望冊子名とその数」をご明記の上、

 uraocb@yahoo.co.jpまでご連絡ください。

2.折返し、振込先の口座と合計金額をメールにてお知らせいたします。

3.商品はお振込確認後、発送させて頂きます。ただし、恐れ入りますが振込手数料に関しましては、ご購入者各位にてご負担をお願いいたします。

新しい朝

現在進行形で、朗読のオープンマイクに最も深い関わりを持つラッパーは、間違いなく前里慎太郎だと思う。


「開口一番」という東京では歴史も古いオープンマイクのホストMCを務めている彼は、一方で「重力2」というバンドのフロントマンとしても活躍し、スポークンワーズシーンとも深い繋がりを持っている。これは、極めて稀なケースではないだろうか。かく言う自分も、音楽の世界からポエトリーリーディングのやって来た1人であるが、その世界の中に身を構えるには相当の年月がかかった。異なるジャンルの世界に飛び込んでいくことには、勇気と好奇心が必要であることは間違いないけれど、それだけでは決して長く携わることはできない。深い尊敬の念と、自分がその世界に身をおき続けることへの「覚悟」を技能として備えなければならない。


今回私が前里慎太郎を「SPIRIT」のスペシャルゲストとして招いたのは、彼がスポークンワーズシーンに近いラッパーだったから、ではなく、彼がジャンルを越えて語彙力と示唆に富んだ言語感覚持つアーティストであったからに他ならない。オファーをする前後に、丁度彼のライヴを観る機会に恵まれた。全く畑の違うハードコアバンドの客層を前にして、彼はいつものように真摯なステージを展開していました。初めは距離を持っていた人達が次第に彼の言葉に惹きこまれて、身を乗り出していく様子がとても印象的だった。
そして6月1日、「SPIRIT」のステージに立った前里慎太郎は、朗読のオープンマイクという現場でまた観る人の心を惹きつけ続けていた。



熱量を込める普段のやり方を踏襲しながらも、場の雰囲気に合わせたリラックスしたスタイルで、適度に聞き入っている人達の肩をほぐすようなMCを交えながらステージは進行していった。彼のリリックにはユーモアとペーソスが重要なウエイトを占めており、それが観る者の間口を広げている。同時に、彼のリリックは年月を経て、深い考察の跡が見て取れる言葉で埋め尽くされるようになっている。だから、言葉を追求する人達の耳にも自然に馴染んでいく。「おはようございます」というコール&レスポンスが繰り広げられるヒップホップのライヴは初めて体験したし、これからも遭遇する可能性は少ないと思う。前里慎太郎という人が持っている許容量の深さと広さを十二分に堪能した、素晴らしいステージだった。


オープンマイクにご参加くださったのは、登場順に


もがくひとさん
川島むーさん
KAZUさん
ユウサクさん
死紺亭柳竹さん
ジュテーム北村さん
Tomoe Kitazumeさん
ANCELLさん
前里慎太郎さん


の皆様でした。初登場の方、何度もご登場いただいている方、朗読、ラップ、演武、声楽と今回も多彩なパフォーマンスが繰り広げられました。


オープニングは大島健夫が新作を、最後は私が長編の「ツイステッド」を朗読しました。
今回の「SPIRIT」は、いつにも増してゆったりとした、それでいて新鮮な空気が流れる空間になりました。今日という一日が二度と訪れないように、オープンマイクはひとつとして同じ雰囲気に留まる物ではありません。そのことを肝に銘じて、これからも皆様に楽しんでいただける空間を創造できるよう、精進してまいります。


次回SPIRITは、7月6日(月)の開催になります。大島健夫選定によるゲストは、詩人の橘上さんです!
どうぞお楽しみに!

URAOCB 1ST ALBUM「STRAIGHT LANGUAGE」

URAOCB 1ST ALBUM「STRAIGHT LANGUAGE」


2015.5.31 ONSALE SPIRIT LABEL
¥1000(including tax)


1.アラウンド
2.キープ オン ユア スピーキング
3.アイ シャル ビー リリースト
4.奇跡
5.ライオネスコーヒーキャンディ
  with 土屋千華(The Punky's Dilemma)
6.チェンジ
7.マーチ


RECORDED,MIXED.MASTERD by
菊池さとし(おんがくのじかん)
DESIGNED by
岡田久美
PHOTOGRAPH by
烏賀陽弘道


おびただしい言葉が飛び交い、ビートが舞う。
スポークンワーズパフォーマーURAOCB
渾身の1STアルバムをSPIRITレーベルよりリリース
これはポエトリーリーディングか?それとも音楽か?
異形の音と言葉、その残骸が、あなたの脳裏を焼き尽くす


URAOCB(ウラオーシービー)
クラブシーンでのDJ活動を経て、2009年よりスポークンワーズパフォーマーとしての活動を開始。都内を中心にライヴハウスやクラブ等様々な場所でライヴを展開。2010年YSWS(横浜スポークンワーズバトル)グランドチャンピオントーナメントベスト8。

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購入方法


ライヴ会場、または通販でお求めいただけます。
通販をご希望の方は
1.「お名前」「ご住所」「枚数」をご明記の上、
 uraocb@yahoo.co.jpまでご連絡ください。
2.折返し、振込先の口座と合計金額をメールにてお知らせいたします。
3.商品はお振込確認後、発送させて頂きます。ただし、恐れ入りますが振込手数料に関しましては、ご購入者各位にてご負担をお願いいたします。

5月31日(日)TOKYO LANGUAGE SUBMISSIONS


(FLYER DESIGN by 猫道)


THIS IS “SPOKENWORDS” PARTY in TOKYO!
URAOCB PRESENTS

TOKYO LANGUAGE SUBMISSIONS


2015.5.31(SUN)@ 新宿DUUSRAA
http://duusraa.com/
OPEN/START 18:00 1500 YEN WITH 1DRINK


◆LIVE
 マサキオンザマイク
 てあしくちびる
 THE I
 もがくひと
 マノメアツシ
 URAOCB 


◆DJ’s
 DJ YEW
 DJ さとい


スポークンワーダー、URAOCBがお届けする
言葉と音の異種格闘技戦、2年ぶりの開催です!
ラップ、弾き語り、ポエトリー、ベースミュージック
あらゆる要素が濃密に絡み合う異空間が
新宿に出現します。
どうぞお楽しみに!

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出演者紹介


マサキオンザマイク


マサキオンザマイクとは、言わずもがなSSWSで知り合い、その流れで1回目のTLSに出演いただきました。その時も、全編即興のトンデモないパフォーマンスで、クラウドを完全にロックしていましたが、3年の月日が流れ、更に凄みがかかったライブアクトで、ジャンルの隔てを越えたライヴを繰り広げています。
マサキさんの根本にあるのは、ヒップホップであることは間違いありませんが、それは形骸化したジャンルではなく、ヒップホップの本質や精神として実践しているのだなと、つい昨日のライヴを間近にして感じたことです。ラメルジーに近いのかもしれないとも思います。
フリースタイルは何を話すのも自由ですが、その言葉に何が裏打ちされているのか、何が乗っかっているのかは、聞き手にはすぐに伝わります。誤魔化しが一切きかない。幾らそこで恰好良いことを言っても、ステージを降りても実践できないと意味がない。
マサキオンザマイクがライヴで発するフリースタイル。それは普段彼が呟くことや考えていることに極めて近い。しかし、それをそのまま提示するのではなく、ペーソスやユーモア、生活感を裏打ちする。最近のマサキさんのライヴは、以前にも増して確信的な強さを感じます。未体験の方には、是非お勧めしたいです。
これは、後でも書くことになると思いますが、ラップであれポエトリーであれ、結局はパフォームするその人次第。つまる所は人が繋がる。その意味を分かっている人が集まる。ジャンルのみを批評することには意味がない。5.31のTLSは、そういう場所になると思います。ぜひお楽しみに!


てあしくちびる


てあしくちびると出会ったのは、今から3年前、2012年になります。当時自分が共催していたイベントにゲストとして出演いただきました。実は自分は彼らの存在を知らなかったのですが、初めて会ったその日にグッドマンでライヴを拝見し、虜になってしまいました。
実の所、東京でライヴアクトとして、てあしくちびると共演したのは、この一度だけです。過去に高崎で、彼ら主催のイベントに一度出演しましたが、それ以降は共演していませんでした。彼らは周囲のスポークンワーズイベントには引っ張りだこでしたが、敢えてお声掛けをしてきませんでした。
それは、彼らが今や様々な大舞台で活躍する存在になったということもありましたが、自分のイベントに彼らを呼ぶには、自分自身も高めていかないといけないと思っていましたし、イベントとしてのタイミングもきっちり照準を合わせなければいけないと考えてました。それが実現したのが今回ということです。
実際、てあしくちびるの河内君は自分よりも昔から朗読のシーンに関わっていたこともあるし、自分が知っているミュージシャンの中でも言葉の選択に神経を集中させる一人だと思っています。てあしくちびるの情報量だけではなく、語彙に富んだリリックを聞けばすぐに分かります。
今や大きな舞台を数多く踏んでいるてあしくちびるに、ライブハウスのような環境ではないクラブスペースでライヴ出演を依頼する。この暴挙にも彼らは快諾いただきました。そして自分も敢えて彼らをこの場に呼ぶ決断をしました。TLSが持つカオスな磁場こそが、彼らを迎えるに相応しいと思ったからです。
5月31日、是非てあしくちびるを新宿ドゥースラーで体感していただきたい。そして、てあしくちびるのファンの皆様は、てあしくちびる以外の異形の音と言葉の空間を体感いただきたいと思っております。何かが彼らと繋がっていることを、続けていることを見つけていただければ幸いです。


THE I


IKOMA君と出会って初めてきちんと話をしたのは一昨年になります。僅か2年の付き合いなのですが、元を正すと彼はTLSのフライヤーも作成いただいた猫道さんの「猫道節」に通っていたので、おそらく5年以上前からどこかの場所を間違いなく共にしていたのだろうと思います。
IKOMA君は、ジャンルでいえばハードコアのライブハウスシーンに属していますが、様々なスタイルのイベントに足を運んでいます。面白いと感じる場所に足を向ける。自分もそのことを心情にしていましたが、正直IKOMA君と出会った時に「負けた!」と脱帽しました(笑)
面白いと思った物を受け止めること。異ジャンルの物を素直に認めること。それは音楽や表現が担保している自由をどのくらい許容できるかということだと思います。ジャンルをただクロスオーバーさせるのではなく、「共存」させるのは、詰まる所その人の中にある可能性です。IKOMA君はそれを体現しています。
それは、彼が主催する「胎動」シリーズのパーティーに足を運んだ方ならにお分かりのことだと思います。僕が自分のイベントであまりジャンルレスを言わなくなったのは、「胎動」等のイベントが既に実践して大きな成果を上げているからです。だから、自分が好きなことだけをやろうと思って、IKOMA君にオファーしました。
今回は、イコマ君が昨年から挑戦している新しいソロプロジェクト「THE I」での登場となります。ポエトリーとハードコア、ポエトリーとEDM。攻撃的な融合に挑み続けているTHE Iのパフォーマンスを、是非お楽しみ下さい!


もがくひと


もがくひとことRUTA君の存在を知ったのは、実は結構昔に遡ります。彼は早稲田の茶箱で「マシモトキヨシ」というポエトリーや朗読をクロスオーバーしたイベントを催していました。
今でこそ、ポエトリーリーディングと検索すれば、様々なラッパーが出てくる時代になりましたが、まだまだ色々な距離があった時代、彼はそれらを繋ぐ先駆者のような存在でした。一度だけ、マシモトキヨシにも足を運びました。あれは、確か3.11直後初めて足を運んだ東京だった。
それから少し時を経て、HONOGURAの灯汰君との繋がりもあって、RUTA君とも直接話したり、場所を共にするようになりました。クラブミュージックという場に対峙するような彼のライヴを観る度に、何故ヒップホップという表現形態を選んだのだろう?ということを考えました。
もがくひとのライヴパフォーマンスは、ひとり語りであり、またひとり芝居のようでもある独特のアートフォームを持っています。どの場所においても孤立し、しかし目を奪われずにはいられない。特に最近のパフォーマンスは、凄みが更に増していると思います。
例えば、彼がクラブではなく普通にアピアのようなライブハウスに立っていても自分は何の違和感も覚えませんし、そのような様々なバイパスに繋がる可能性を彼の音と言葉、そしてパフォーマンスは有しています。これから、彼はそのような存在になっていく気がしています。
結局の所、何を選ぼうと、どんなことをやろうと本質的にはその人間が持っている精神が写される。それは彼のライヴや、先日の彼のイベントに参加して率直に感じたことです。5月31日、是非もがくひとのパフォーマンスを体感して下さい。そこには、新しくも懐かしい世界が広がっています。


マノメアツシ


今回出演する中で一番古い付き合いがなるのが、マノメさんです。自分がこの世界に出るきっかけになったYSWS(横浜スポークンワーズスラム)で出会い、グラチャンまで戦いました。暫く会ってなかったのですが、今年になってオープンマイクで再会し、その場でオファーしました。
何故、今回詩人の中でマノメさんをTLSの舞台にお呼びしたのか。それは、今回の出演者がより「エクストリーム」であったからです。それに対抗する言葉の力を、パフォーマンスを持った人を探せば、自然とマノメさんに辿り着いたということです。
マノメさんの圧倒的なステージング、短いセンテンスでストレートに聞き手を打ち抜く言葉。声の迫力。圧倒的な眼力。それらが短い時間の中でめくるめく展開していく、そのスピード感は、それはハードコアのようでもあり、ラップのようでもある。しかし、それは紛れもなく朗読です。
僕は、様々なジャンルを行ったり来たりしていますが、今の自分のバックボーンにあるのは間違いなく詩の朗読です。東京という街で、素晴らしい詩の朗読を沢山観てきました。それらがジャンルの壁を越えていく可能性に満ちていることを知っています。だから、素晴らしい朗読を、体感いただきたい。
5月31日、是非マノメアツシのパフォーマンスをご覧下さい。言葉と声、そのシンプルな組み合わせが空間を震わせる時、とてつもない感情が皆様を襲うことでしょう。お楽しみに!


DJ YEW
今やBACK TO CHILLやGOOD WEATHERといった国内屈指のベースミュージックパーティーに出演するYEW君は、自分以外では唯一3回ともTLSに出演しています。実際、彼を抜きにしてTLSを語ることはできません。屋台骨の存在でもあります。
今回のTLSも、色々な事を決める時にYEW君に相談していました。彼のヒップホップ感、ラップミュージックに対する的確な視点を、自分はリスペクトしています。彼のような、ラップミュージックという「音楽」に愛情と拘りを持つ人間には初めて出会いました。
YEW君とは、元々DJ時代に色々な現場や知人を介して出会ったのですが、自分がクラブから離れた後も頻繁に会う数少ないクラブ関係の人間になっていました。考えていること、嗜好、それらは必ずしも一致してはいないのですが、それでは言い表せない親近感を持っています。
1回目のTLSでDJ YEWの繰り出す轟音に、猫道氏がロックオンされて、ブースの前から離れなくなった光景を、今でも覚えています。言葉を扱えば扱うほど、欠落していく何か。それを埋め合わせるベースミュージックが確かにそこで鳴っていました。
言葉を発する人が音楽に憧れ、音楽をプレイする人が言葉を欲する。互いが互いを補完する。その間で揺れることを自分はスポークンワーズだと思っています。多分、自分がスポークンワーズをやってなかったら、YEW君と今でも頻繁に会うことはなかったかもしれません。
5月31日、URAOCBのライヴは2月以来にDJ YEWとタッグを組みます。DJ YEWのサウンドと、URAOCBの言葉による完全コラボレーションです。是非お楽しみ下さい!


DJ さとい
最後にご紹介するのは、今回初登場となるDJ さといさんです。実は、さといさんとお会いしたのは現場の数回のみなのですが、そのヒップホップからベースミュージックを縦横無尽に横断するDJを聴いて驚き、オファーした次第です。
自分がさといさんのDJを拝見したのは、ヒップホップの現場で、そこで臆することなくガンガンハードコアなトラックを回しているのが印象的でした。最近のシーンは全然追いかけてないですけど、ドラムンベースとハッピーハードコアが同居してた時代のハードコアを感じました。
是非、ドゥースラーのサウンドシステムで彼女のDJを聴いてみたいと打診し、快諾をいただきました。様々な多面体のDJさといさんが、当日はどのような音世界を作り上げるのか、とても楽しみにしています。