5/20 TOKYO LANGUAGE SUBMISSIONS 出演者紹介(1) 猫道

5月20日 TOKYO LANGUAGE SUBIMISSIONS
出演者紹介(1)


猫道



1998年より芝居を始める。
2001年より【猫道一家】というクルーを結成して活動し、
脚本・演出・俳優を兼務。
「劇場ではない場所を劇場に変える」をコンセプトに
浅草花やしき、廃墟ビル、ライブハウス、クラブ、駅前、
デパートの屋上、ギャラリーなどで作品発表。
2008年7月、芸歴10周年を機に演劇活動を廃業。


現在、ポエトリーリーディング・一人芝居・ラップなどの
要素をミックスした新しい表現スタイル【猫道節】
(ねこみちぶし)を開発中。
2008年より自ら主催するスポークンワーズのイベントを
渋谷 BAR SAZANAMIで不定期開催している。
SSWS(新宿スポークンワーズスラム)
2009年グランドチャンピオントーナメントベスト8


猫道公式BLOG 「傾奇魂 −かぶきだましい−」
http://blog.goo.ne.jp/kabukidamashii

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TOKYO LANGUAGE SUBMISSIONSまで
後10日となりました。
スポークンワーズの世界へ足を踏み入れてから3年
このパーティーは、その当時から頭の中にあった
自分のビジョンを、ひとつの形にしたものでもあります。
3年の間に、自分が出会ってきた数多くの朗読者、ラッパー、
パフォーマー、そのシーンに携わる全ての人から
得た物を自分のフィルターを通して
または、数々のアクトを通して
スポークンワーズ、という言葉の元に開放するような
空間を作りたいと思っています。


そこで、今回からその一端を知っていただくために
開催されるまでの間に、今回の出演者について
自分なりに紹介していきたいと思います。
紹介する順番には特に大きな意味はないのですが
まず一人目、この人がいなかったら、おそらくこんな
パーティーは生まれなかったと思うし
俺は、このシーンに関わることもなかったと断言できる
スポークンワーズパフォーマーです。
猫道。


彼に関しては、以前ワンマンを見た時に色々な感想を
書いているのですが、


http://d.hatena.ne.jp/uraocb/20101205


今回は、時系列的なことを改めて書いていきたいと思います。


俺が、初めて彼の動画をYOUTUBEで観たのが
2009年の秋口でした。
不可思議WONDERBOY、鈴木陽一レモン、モリマサ公、
イシダユーリ、今村知晃、そして猫道といった
物凄いメンツが集まった
前クールのSSWSグランドチャンピオントーナメントが
終了して、それぞれが新しいスポークンワーズの動きを
進めようとしていた頃
猫道は、間違いなくそのムーブメントの中心にいました
↑でリンクしたブログで、2009年の彼の日記を
是非読んでいただきたいのですが
朗読、ラップ、演劇、アンダーグラウンド、全てのシーンが
彼を媒介にして動いていることが手に取るように分かる、
今でも読んでいるだけで、手に汗を握るようだ。
動画を観て、そしてブログを読んで、2009年の俺は
純粋に興奮したし、この渦を体感したいと思った。
全てが同じテーブルに並べられて、祝祭を奏でる
この場所には、きっと何かがあるに違いない、と。


それから、3年。
時間は常に、同じ場所に留まることを許さず
色々な事柄はやはり、変わっていきます。
スポークンワーズやポエトリーリーディングのシーンも
当時とは異なっています。
その状況はパフォーマー個々に委ねられる方向へと
向いつつあるように思います。
ある者は成功を収め、メジャーのフィールドに飛び出し
またある者は、地道な努力を重ねている。


ただひとつ、はっきりしていることがあって
猫道という一人の男が切り開いた世界は
スポークンワーズのパフォーマンスは
観る方に対しても、そして演る方に対しても、
確実にスポークンワーズの概念を更新した
ということです。
当時、誰も想像していなかっただろう。
朗読、というパフォーマンスが
たったひとりの、作品からトラックまでを
全て一人で作り、演じる男によって
クラブやライブハウスという空間で
多くの人に受け入れられ、その様子を
納めたDVDがリリースされるということ、
誰も考えていなかったであろう概念を
彼はその肉体で発明し、そして証明した。
それは、ポエトリーリーディングのシーン
内側にいた人間にも影響を強く与えた。
大島健夫は音楽を組み入れた朗読CDを発売し、
笹田美紀はピアノを弾き語った。
後藤理絵は音楽と共に詩を再生した。
そしてuraocbは、2012年にスポークンワーズの
パーティーを始める。


TOKYO LANGUAGE SUBMISSIONSを開催するに当って
このパーティーを見てほしい人達がいる。
同業の朗読者や、ラッパーであったり
過去の自分に関わった人達であったり、色々な人がいるけれど、
その他の、まだ会ったことのない人達。
今、何かをしたいと思っている人達
音楽は奏でられないし、まだ詩を書いたこともない
でも何かやりたい。何かを言いたい。
そう思っている人達は、東京にも、
そして地方にはもっとたくさんいるはずだ。


この前、パーティーのミーティングをやった時
いみじくも猫道本人が語っていた。
地方にいる、例えば詩のボクシングしか
機会がないような若い子に、猫道節を聞かせる機会が
来るといいと。
全くその通りだと思った。
いつ機会が訪れるか分からないけれど
我々にできることは、ひとりでも多くの、会ったことのない
友人達に、我々がやっていることを伝えることだと思う。
丁度3年前の俺のように、
例え、今は何も表現できなくても、君たちが今
心の内側に締まっている形になっていない
何某かの塊は、
君が強く願えば、必ず形になるものだと。
異形であるか否かは問題ではない。
君がそれを強く思うか、どうかだ。


握手しよう。言葉で。