ポップスズキドットネット


ポップ鈴木さんという、ドラマーがいらっしゃいます。


古くは絶望の友、KOREAN BUDDHIST GODといったバンド
SAKANAのサポートメンバーも一時期努めてらっしゃいました。


ポップさんのホームページを拝見したのは、随分昔の話
SAKANAのことや、ご自分の音楽生活を記していらっしゃって
楽しみに読んでいたページのひとつでした。


いつの間にか、ページがなくなり
ブログに移行してからも


http://d.hatena.ne.jp/pop-suzuki/


たまに目を通しています。
今は、前野健太を主役にして話題になった映画「ライヴテープ」の話
読んでいただければ分かると思いますが
物凄い文章がうまいです。
平易な言葉と表現で、情景のひとつひとつが浮かんできます。
一見楽に、思うがま何書かれているように見えて、
潜在的なテクニックがないと書けない文章です。


更新する頻度は高くありませんが
たまに目を通す、と書いたのは
ホームページの時と同様
過去のエントリーがどんどん消されているからです。
それらも、音楽と生活について記述された
素晴らしい内容であったのですが
ご本人の中では、常に進行形の活動を
大切にされているのかもしれません。


一緒にするのもおこがましいですが
自分も、何度も何度も過去をスクラップ&ビルドして
今にいたっていますが、
ひょっとするとまだ踏ん切りがついてないのかな?
という瞬間はいくつもいくつもあります。
人間、そんなに割り切れるものではないけれど
人前に上がる以上、その上で見せることが全てだから、
少なくてもその時だけでも、割り切った姿を
見せなければならないのだと思います。
その姿が、全て。
思い出に生きるわけではない、今を生きている
という覚悟、と準備を常に持つ。


とかいいつつ、振り返るのですが


もう消されてしまったポップさんのエントリーで
自分が好きだったのは
さかなのライヴ中に、全然聴かないで
目の前で電話している失礼な客がいて
ふと、あるタイミングで叩く手を止めたというエピソード
ステージに訪れた静寂にお客さんは集中し
明らかに空気が変わって
ライヴは素晴らしいものになったそうです。
叫ばずとも、何も訴えずとも、
人を惹き付けることができる、
沈黙という
力。