サイコキラー あんた誰



天空で催される声と言葉の格闘技
YSWS第3クールチャンピオントーナメント
終了しました!


結果は


http://ameblo.jp/ysws-staff/


一回戦(10分)を2位通過
準決勝は蛾兆ボルカさんに勝利
決勝に進出しましたが、はっとりあつしさんに
1−4で敗戦。準優勝となりました。


主宰のナターシャさんから推薦という形での
依頼を受けたのが、先々週の話。
チャンピオントーナメントは2回目ですが
そのクオリティの高さは経験しているので
とにかく、今やれるだけのことはやろうと
あまり構えることなくできたのが
結果に繋がったのでしょうか。
選んでいただいた期待を裏切らなくて
良かったと、一安心です。


それにしても、今回は凄かった。
審査員の猫道さんをして
「参加したバトルの中で過去一番良かった」
と言わしめる物凄い打ち合い。
おそらく、自分が観客だったとしても
詩や言葉に深く入り込んでいない方でも
存分に楽しんで家路に着けたと思う。
リーディングに留まらず、パーティーとかイベントを
含めても、ああいう空間は自分の中では
ごく稀な体験だったと思う。
何回かあるうちの奇跡のひとつ、ぐらいの。


ある者は朗読し
ある者は歌い
ある者はコントを始め
ある者は、位牌を置き線香を炊いて
iPHONEを使って経を読む


まさにルールなし
しかし全てが成り立っている。それがYSWS
出演者ながら、これを審査するのは大変だなーと
余計な心配をしてみたり


強豪並居るUMB横浜大会でも
上位に入賞するFIZZさんの登場は
丁度お経が読まれた後で
若干緩やかに広がった場の空気を
一変させ、引き締める言葉の強さ
「ラップ・スポークンワード禁止条例」
個人的なこの日のベストプレイでした。
で、その次が自分。
余韻を引き継いで、パワーを入れたら
途中からガス欠気味になって、
でも飛ばすしかないので、とにかく折れないで
やり切る。
これがどう伝わるか、正直分かりませんでした。
準決勝進出の発表で
最初にFIZZさんの名が挙がった時、
あ、これで自分はないだろうなと思っていたくらいで
呼ばれた時には、驚いたというより面食らって
そのまま準決勝へ 
蛾兆さんは佇まいから言葉の発声ひとつひとつが
もう詩になって浮遊していて、
自分は何も考えずに、7分間をもう一度走り抜ける
終わって暫くの間、放心状態になりました。
これまた初めての経験だった。


優勝したはっとりさんは、前YSWSの司会者でもあり
ビジュアル、選曲、センスの面で突出してました。
一回戦、洗濯籠を被って裸で踊った後
ギターを手にするとトーキングヘッズ「サイコ・キラー」のカバー
あんな「ストップメイキングセンス」のオマージュ
初めて見ました。
もっともデヴィッド・バーンの変態的なムーヴを知らなくても
その場にいた人全員がノックアウトされたことは間違いない。
彼がこの時点で物凄いスタートダッシュ
引き離して、ゴールのテープを切ったという印象。


決勝は何とか対峙しようと
読む予定にしていなかった「平下バッティングセンター」で
静に徹したのですが、届かなかった。
最後の講評で猫道さんが、
決勝のポイントとして
完結しているか否か、といったことを
挙げられていたのが印象的だった
はっとりさんの変幻自在のパフォーマンスは
きっちりと計算もされながら、しかし見ている側にも
そしておそらくご本人にも消費されきらずに
インパクトを残した。
終わらない、からこそ焼きつくということ。


終演後、はっとりさんの知人のお客さんから
自分とFizzさんの決勝を見たかったと
話されましたが、
はっとりさんが、Fizz、uraocbという
スポークンワーズサイドの人間と
相対するという見えない筋書きが
あったからこそ、あの夜は特別になったのだと思います。
とにかく、飯田華子さん、ユズルさんの
物凄いオープニングアクトから、
抽選で決まったとは思えない1回戦の出演順
猫道さんのパフォーマンス
全てが、これくらい有機的に絡む
奇跡があるだろうか、という夜だった。


無論、奇跡が向こうから歩いてくるわけではなく
YSWSという場所が開いているからだと思います。
最初にYSにエントリーした時にクロラさんに出会ったのが、
自分の中では物凄い大きかった。
自分は詩人ではないから、やっていることが正しいのかどうか
許容されるかどうか物凄く不安だった。
しかし、クロラさんのような全方位型の方がいることを知って、
何かできるのではないかと考えた。それが始まり。


この奇跡の夜にプレイヤーとして立ち会えたこと
自分が最初に上がったリングがYSWSだったことを
幸運に思います。
YSWSに携わる全ての皆さん、
本当にありがとうございました!!