ハプニング ノット ハプニング

膨大なコラージュ、カットアップの中に
存在するドイツクラウトロックの雄、
ファウストが日本でライヴツアーを行ったのは
たった一度
97年新宿リキッドルーム
延々と続くミニマリズムから、徐々に変貌するステージ
ガラスが破壊され、チェーンソから火花が上がり
ステージにはスモークが炊かれる
やがてそれは、フロア全体を埋め尽くし
生命の危機を感じた人々を会場から追い払う。
その後の公演では、スモークは禁止されたそうだ。


現場にいかなければ、分からないことはやっぱりある。
同じメロディーや、言葉でも同じライヴはひとつたりとてない。
ある時は満足し、またある時は自分なりの解釈を迫られる。
私達が対価を払うのは、その場でしか体験できない
偶発的な何某か。


引き寄せる嗅覚をいつも尖らせて
待っている
またいつか出会えるかもしれない
チェーンソーとスモーク