TAKE ME TO THE BASEBALL


音楽でも言葉でなく
野球のお話です。
いや、野球の話でもないけど。


まだドーム球場ができる前
子供の頃、神宮球場のライススタンドに通っていました。


当時のヤクルトはまだ野村監督が就任する前
万年最下位の弱小球団。
巨人や阪神と試合をする時は
ライトスタンドの半分くらいまで
他球団のファンに占領される。
しかし、それでもライトスタンドに集まる人達は
めげることなく、陽気に
スワローズを応援し続けていた。


記憶が正しければ、東京音頭で傘を差す応援が
生まれた試合に自分はライトスタンドで立ち会っていて
あの時は、雨が降ったり止んだりの天気で
得点が入った時に岡田団長が、みんな傘開け開けって
煽って、それで傘の華がバアっと開いた。
つまりあれは傘で応援するのが目的ではなくて
あるものは何でも使って応援しよう、という
発想そのものだったわけです。


岡田団長が現われるのは決まって7回
どんなに劣勢でも、彼が登場するとライトスタンドは沸騰する。
ひょっとしたら、その場所は野球ではなかったのかもしれない
でも、弱いヤクルトと、神宮球場のライトスタンドを
心から愛していた。
それだけは、間違いなかった。