時間より早く歩く 追いつかれる前に帰る


ライヴ中なのに(撮影 これからマイクに向かうuraocbさん)


週末が終わった。
いつにも増して濃い週末でありやした。


8月31日 高円寺円盤 正真正銘初円盤
田口さんと会うのも、18年ぶりでありました。
というか、実際再会するとは思ってなかった節もあり
この何年かで急転直下な感じではあったわけですが
「久しぶりです」「何年振りよ」「17,8年ぶりぐらいっすね」
くらいしか話さず。次はいつ会うのだろうか......


「我々」のコマツさんから、今回のお話をいただいて
amephponeさんとお会いしたのが、先々週の話
そこで話をして、そのまま本番。初めてお会いするバンド。
本当の意味でのブッツケ。セットもその場で決まれば
こちらは、どの曲で何を読むかなんて決めていないので
曲の頭を聴いて判断して、その場で読む。
およそ2時間弱。
観覧に来た人達は、amephoneさん達を観に来た、
俺のことなんて全く知らない方々。


どう考えても、有利な条件などひとつもないのだが
不思議と緊張は全くしなかったし、充分楽しんだ。
企画の面白さもあったし、円盤という空間も作用したけど、
相性、のようなものは確かに感じた。
あるいは、それが全て、かもね。


内容の半分以上は、反原発デモについて
しかし、啓蒙的にも政治的にもならずに
あくまで「レポート」に徹して、しかも楽しんでもらって
というのが、amephoneさんとのミーティングで
確認されたこと。
今にして思えば、何という条件だ!と驚きますが。
結果、どのような反応であったかは
それぞれの人に委ねられる、という感じで。
でも、インパクトは残したと思います。
最初にデモ行ったことある人いますかーって聴いたら
観に来られた方、ひとりも手が上がらなくて
これは、ひとりデモをやるのかなー、とか
思ってましたが、amephoneさんや、バンドの方と
デモや官邸前の話しながら進行して、
amephoneさんは、おそらく俺よりも熱く
しかしそれをスマートに伝えようとしていた。
あまり、今までお会いしたことのない、
でもどこか共通する感覚を持たれた
珍しい方だな、と思った。


http://amephone.blogspot.jp/


amaohoneさんとは、またお会いすることになるでしょう。
また、何かを一緒に行うかもしれない。
こういう予感は、割と良く当る。


この日、向かわなかった官邸前は
いつにも増して熱い声が飛び交ってたと
何人かの知人からの報で知った。



ぬくみりゑ(撮影 出演しなかった巨人モリマサ公)


9月2日 池袋3-tri
不可思議/wonderboyトリビュートアルバム発売ライブ
不思議な光景だな、と思った。
この景色はどこかで観た事がある、と思ったら
初めて観た猫道節や
「言葉が無ければ可能性はない」リリースパーティーだった。
3年前のことだ。
あの頃は、誰にも会ったことが無かった。
殆んどの人が、初対面だった。
3年経って、色々な人に会うことができたけど
不可思議/wonderboyとは、ニアミスのように
出会っただけだった。


8組の巨人が同じ目的を持って集まるのだから
内容は推して計るべし。
何よりも、トリビュートでありながら各演者がそれぞれのやり方で、
「今」に対するメッセージを発していたのが印象的だった。
死ではなく、生に対する希求が常に訴えられていた。
色々な意味で、そのような空気が充満していた。
そのことが素晴らしいと思った。


トリビュート、という言葉に対して
色々な考え方があると思うけれど、
表現者ならば、現在進行形の「今」を見せなければ
何も始まらないじゃんか、と俺は思う。
それは俺がプレーヤーだから、でもなくて
時間軸、という枠を離したらあっちだってこっちだって
全部一緒だぜ、と昔から思ってるから。
全ては繋がってるよ。俺やあなたの知らない所でもね。


8組全てが素晴らしかったけれど、その詳細は
モリマサ公さんにお任せするとして


http://blog.livedoor.jp/beertopants/archives/16338597.html


ぬくみりゑさんについて
今年見た、音楽含めたパフォーマンスの中で
ベストだった。多分これは更新されないだろう。


そこにはいない「主役」の詩を読むことが
そのままトリビュートになるわけでは、決して無い。
しかし、彼女には彼の言葉を漏らさずに読むことや
伝えることは、寧ろ必然と感じるようなステージだった。


終演後に、あおばさんとお話しする機会があって
あおばさんが「彼はラッパーだったけど、書いている言葉は
本当に凄かった」ということを仰っていて
頭では分かってたけど、改めて今日のぬくみさんに
教えられてしまった。自分の不明を恥じた。
何故、ワンダボーイが唯一自作の共演者として彼女を選んだのか、
少し分かった気がした。
彼女が読んだ不可思議/WONDERBOYの言葉は、
彼とはまた別の形で魂を宿していた。

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2日間で学んだことは、余りにも大きいものでした。
そして、自分が今まで避けていた部分でもあったと思います。


もう一度「詩」に対して向き合おうと思います。