解説

この作品は、昨年9月のDis-le Dis-leで
読みました。
内容については、お分かりのこととは
思いますが、3.11の後に訪れる世界を
想定しています。
この作品を書いている途中で、
「BLIND」という全く同じテーマの
ショートムービーを知ったのですが
書き始めた時点でイメージは出来上がっていたので
そのまま完成させ、ライヴで披露しました。
その時点で自分の中では完結した感もあって
「BLIND」の方はまだ拝見していません。


長いストーリーテリングの作品を
公開しようと思った理由は2つあります。
1つは、自分が書く詩の全てはライヴを
前提にしているのですが
今後、この作品を読む機会はほぼ無いと
考えていること。
この当時(昨年9月)と、今では
放射能に対する自分の考え、実際の状況は
少し異なっているということです。
無論、「ガスマスク着用令」の世界が
訪れない可能性が全くなくなったわけでは
ありません。
訪れないことを望んでいますが……


2つめの理由は、
震災後の世界で
一体何を作っていくのか
語っていくか
その困難さ、または意味自体を
問う物言いが溢れていると感じ
何らかの落とし前というか
自分なりにひとつの形を
ドロップしようと思いました。
震災を体験しながらも、
表面上今までの通りに生活する人間が
震災後に何を作るか、語るか。
色々な意見があると思いますが
私自身は、個人の問題だと思っています。
何か大きな一括りを拠り所にして
踏み出さないのではなくて、
まず自分がどのように考えているか
率直に出していく。
そこから始めなければ、次に進まないし
実は、自分がやること、やろうとしてることは
以前よりも深く掘り起こされ、
具体的になったのではないか、
とも考えています。
それは、これからの活動で示されることに
なるでしょう。


この作品を、ドキュメントからの地続きとも
またはひとつの寓話と捉えていただいても
読み飛ばしていただいても
何も異論はありません。
俺は俺のやり方で石を投げ続けます。
これからも。