空気

で、話は2003年のDJに戻ります。


その時のDJは自分で言うのもあれですが
なかなか調子が良くクラウドをヒートさせていたのです。
手応えや満足感も感じつつ
後日、別の場所でコジョウさんに再会した時に
何気なしに言われたのが


「あれは、家で考えてきたセットだよね」


という言葉。
あまりにも図星で、暫く言葉に詰まったものでした。
それは臨機応変にその場で選んで回せたら越したことないけど
難しいよなー、とか当時は思ったのです。


その時、コジョウさんに言われた意味を
経験としてようやく理解できるようになったのは
最近になってからのことです。
無論、DJにも色々なタイプの方がいらっしゃるので
どれが正解!というスタイルはないと思います。
ただ、これはライヴパフォーマンスも
そういった部分があると思いますが。
何かを提供する時に一番必要なのは
スキルやお客さんとのやり取りと同様に
いやひょっとしたらそれ以上に
その空間を支配している「空気」そのものなんだな
と今は感じています。


同じ音楽でも、プレイする場所で異なるし
同じ詩でも読む場所で全然イメージが変わる
その空間でオーガナイザーが作り出す空気に
どうやって反応するのか。


そういえば、山本精一さんは「ベアーズ」にいた頃
出演するバンドには一切アドバイスはしなかったそうですね。
例え求められたとしても。